賃貸物件を探す際には、家賃や間取りから階数や築年数などまでチェックポイントがたくさんあります。最寄り駅に急行や快速電車が停まるのか、または市街地まで所要時間がどれくらいかかるのかというポイントも欠かせませんが、中でも最寄り駅から賃貸物件までの所要時間は重要です。不動産業界では、最寄り駅までの所要時間によって賃料が決まると言われるほど、最寄り駅までの所要時間が注目されるポイントなのです。最寄り駅まで30分以上かかる物件では、大抵の場合自転車で最寄り駅まで走って駐輪場に停めるか、車で職場などに移動する人しか借りられないでしょう。自転車を利用する場合には、駐輪場の料金が必要になり盗難のリスクも負わなければなりません。したがって、賃貸物件を探す人は最寄り駅まで徒歩15分以内くらいで行けるものを求めることが多いと言えるでしょう。
賃貸物件の広告には、最寄り駅からの所要時間が記されています。所要時間は徒歩1分が約80メートルと定められており、広告はこの規定に従った所要時間を記載しなければなりません。途中の信号や踏切での待ち時間は考慮されていません。そこで、実際には広告に載っている所要時間よりも長くかかることはあります。また、道路事情を考えず最短距離を取って測った場合の所要時間になるため、女性や子どもが避けたい暗くて狭い道なども含まれてしまうことになります。安全で快適なルートを選択すると、更に所要時間が延びてしまう可能性も否定できません。こうした事情が表面化しないことも視野に入れて、賃貸物件を探す際には広告に記載された所要時間を鵜呑みにせず、実際に最寄り駅まで歩いて所要時間を計測してみることが必要です。